ルアンナムターの市場にて(1)

ルアンナムターの市場は小さな町なのですぐ見つけることができると思う。何度か訪れているが、本当に小さくてのんびりしていい町だ。今回は市場の周りにもちょっとした変化があった。中国のモンラー、景洪行きのバスの発着所が移動されて大きなホテルが建設中。こういう立派なホテルは確かに地元の経済を潤すことと思うが、何もルアンナムターに作らなくてもよいのにと思う。しかし、アジア南北回廊の要衝にあって、これから旅のかたちも変わってゆくのだろうか。
 タイやラオスベトナムの田舎を旅する時には、いつもその町の市場を覗くことにしている。そういう田舎には娯楽がないので市場くらいしか人が集まって華やいでいる場所がないということもあるのだけれど。ただ市場は朝食前の朝の早い時間が勝負時なので、ついつい早起きになってしまう。早起きといってもこういう田舎の旅だとゲストハウスで旅人同士情報交換をしたりちょっと飲んだとしても、せいぜい夜の9時ころにはやることもなくなって寝るしかないので必然的に早起きになってしまうのだ。(笑)

 この北部ラオスの田舎の市場は、ことのほか私のお気に入りである。この地域は古くからの雲南中国の文化と、タイ系諸族のランナー王国の文化、それから植民地化後のフランスの文化がそれぞれ程よく自己主張をしているから。それに日本人に見慣れたような食べ物も多いこともある。特にこの写真の豆腐なんかは、硬い中国豆腐とも違ってまるで日本の木綿豆腐そのもの。いつもこれを見るたびに生姜と醤油で食べたいなーと思うのだが、日本醤油を忘れる悲しさでいまだに成功していない。実は醤油と生姜と細ネギで地元の人々にも食べさせて反応を見てみたい気もするのだが。

 このうどんのようなものはお米を粉にひいて作ったもので、この地方で普通に食べられている。鶏がらのスープで食す。もうまるでうどんのような感じだ。タイのセンヤイと呼ばれる麺も同じ流れ。こういうのもそうだが一つ一つが日本人にとっても懐かしい感じのするアイテムが多い。なごむ。